漢字考 「のう」



【問題】

 以前、ある時期のカエルの発生で、のう胚期という時期の胚が教科書に出ていた。この胚は、桑実胚、胞胚、原腸胚、神経胚、尾芽胚のどれか。


【答え】

 原腸胚


【解説】

 
「のう」を使った用語 :  胆のう 尿のう 卵黄のう 胞子のう 

 「のう」はひらがなで表記するのが普通であるが、「嚢」と漢字で表すと意味がはっきりする。「嚢」は袋を表す漢字。土のう(嚢)、氷のう(嚢)は日常生活でよく出てくる用語。土のう(嚢)は土をいれた袋で、洪水の時などに活躍する。また、氷(嚢)は熱がある時頭を冷やす氷水を入れた袋である。



 同様に、
生物で出てくる用語も「のう(嚢)」は袋の意味で使われる用語である。胆のう(嚢)は胆汁を溜める袋、尿のう(嚢)は脊椎動物の胚にある尿を溜める袋、卵黄のう(嚢)は脊椎動物の胚にある卵黄を溜める袋、胞子のう(嚢)は胞子を入れた袋である。





 「のう(嚢)胚」とは原腸という袋を持った胚のことである。したがって、原腸胚。胞胚も胞胚腔という袋があるじゃないかという意見があるかも知れないが、胞胚腔は閉じた部屋。袋だからものを出し入れする口が必要。

 
ひらがなを含む用語は、本来の漢字に直してみると意味がよく分かる。一旦意味が分かれば覚え易く忘れにくい。

 





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